ネパール地震―被害とその後の状況7―(6月1日現在)

ネパール地震―被害とその後の状況7―(6月1日現在

1.全体の状況

地震後の処理については少しずつ復興期に入っているが、被災地域によって

その状況は大きく異なる。

(1)首都カトマンズ

1)崩壊した家屋などのガレキの処理はほぼ終わった。

2)現在は3階建て以上のビルデイング等の取り壊し作業が行われているが、

重機不足と隣接家屋への影響等の判定が難しい為作業が進まない。

(2)地方(シンヅパルチョック、ゴルカ、ラスワ、ダデイン、ドルカ等)

1)崩壊家屋のガレキ撤去作業はほぼ完了している。

2)今後は、水道、電気、などインフラの回復が早急の仕事。

3)家屋を失った被災者へのシェルターはテントや波板などで応急の手当て

は出来ているが,原状に復すまでには時間が掛かると見られる。

 

2.主なトレッキング・ルート

1)ランタン地方

(イ)(ランタン谷は村全体が埋まってしまっており、原状を回復するた

めには相当の時間と資金が必要。トレッキング地域としては壊滅的状況。

(ロ)ランタン谷に向かうトリスリからシャブルベンシに向かう道は復旧

が進んでいるが、なお土砂崩れなどの危険が指摘されている。

(ハ)エベレスト街道

ルクラ、ナムチェ間は土砂崩れ,落石などで危険地帯があるが、現在修

復が行われており、秋のシーズンまでには十分回復される見込み。

ナムチェ等の村々も大きな被害はない。

(ニ)アンナプルナ街道

特に目立った被害はない。

(ホ) マナスル街道(ブリガンダキ)

アルガート・バザールとマチャコーラ間は土砂崩れや橋の崩落で通行不

能であるが、政府は雨期明けに修復するとしている。

 

3.今後の課題

(1)緊急の課題

1)仮設住宅の建設

2)土砂崩れなどの地域からの住民の移住

3)インフラの回復(電気、水道等)

(2)中、長期の課題

現在、ネパール政府と援助国、国際機関、国際金融機関などとで、中、長

期復興計画が討議されているところであり、6月8日、25日に国際会議を

持ち、7月8日までに復興予算を策定し、これを7月17日から始まる国家

予算に復興事業費として盛り込むことになろう。また9月中旬には復興事業

の進捗状況を確認するためフォローアップ会議が予定されている。

 

4.復旧作業

復旧作業などはネパール軍、警察が行っており、各国からの救援部隊は殆

ど帰国した。現在最も必要されているのは重機である。また、国籍を問わず

民間のボランテイアの活動は制約されている。

基本的には医師など特殊技能を持った者以外の活動は難しい。現場が重機

を多く使用する場所であり、危険の回避、メンタル・ケアなどが、言葉や習

慣の違いから難しいと判断した為である。

なお、外国人のボランテイア活動には政府の許可が必要であり、これを知

らなくて被災地に向かう者もおり、政府もコントロール出来ていない。

5.募金と寄付について

余りにも多くの団体が募金活動を行っている為、実情は正確には把握でき

ないが、どこに寄付したら妥当か判断することは至難のワザのようである。

分かる範囲で言えば、寄付を受けるネパール側に問題があるようであり、的

確に被災者の手もとにお金や物資が届くのか大いに疑問であるとする人達も

居るようだ。了

カトマンズより 大津 昭宣氏提供 (編集M.K.)

Comments are closed.