ネパール地震―その後の状況5―(5月15現在)

ネパール地震―その後の状況5―(5月15現在)

1.余震

5月12日の大きな余震はカトマンズ盆地を含め震央周辺の地域に大きな被害をもたらした。地震規模は次の通り。

震央 コダリ(カトマンズ北東50km中国国境)マグニチュウード 7.3

カトマンズ M6.9

ネパールはアメリカのUSGS(US Geological Survey アメリカ地質研究所)の発表を採用。因みにUSGSは今後の余震についても発表(省略)。

2. 主な地域の被害

内務省が纏めた5月12日現在の被害状況は下記の通りであるが、この中には12日の余震被害やランタンなどで行方不明となっている数は含まれていない。全土の状況でもない。

被災地 死者 崩壊家屋

1) シンヅパルチョック 3107人 63301 棟

2) カトマンズ 1222人 60855 棟

3) ヌワコット 1000人 45000 棟

4) ダデイン 719人 35000 棟

5) ラスワ 543人 9000 棟

6) ゴルカ 410 人 57483 棟

7) バクタプール 319 人 9000 棟

8) カブレ 317 人 48545 棟

9) パタン 176 人 22195 棟

10) ドルカ 77 人 40000 棟

主な被害状況は上記の通りであり、合計の死者は8000 人を超えているが、必ずしも正確な数字ではなく、倒壊家屋を含め、主な地区を集計した概算と見られる。

3 被害の特徴

地震の特徴は、旧王宮を中心とする旧市街とそれ以外の地域では全く被害の程度、状況が異なること。これは同じ盆地内のパタン市、バクタプール市なども同様で、旧市街が壊滅的であったにも関わらず、3-4km離れた新市街地区などは殆ど被害がみられていない。例えば空港からメイン道路にかけては、一見地震があったとは思えない。しかし、建物の多くにひび割れが生じたり、塀が倒れていることは旧市街と変わらない。筆者の事務所は日本大使館そばの被害の少なかった地域だが、5階建のビルが多少傾いて入室禁止になっている。

4.市民生活への影響

ここでの市民生活とは、死傷者の多かった旧王宮等を中心とする旧市街を除く地域についてです。まだ多くの人が広場のテントで生活している。

1) 買い物

殆どの商店、大きなスーパー・マーケットは営業を開始した。店員の出勤

状況で通常営業時間より短いばあいもある。

2) レストラン

カトマンズ盆地には20軒ほどの日本人の経営するレストランがあるが、ひび割れ等被害を受けたビルに出店しているレストランを除き、おおむね営業を開始した。他のカフェ等も同様。

3) 市内交通

燃料を節約している市民の足、バス、マイクロ、ミニバス、タクシーの数は従来よりはかなり少ない。石油スタンドはオープンしている。

4) 水道

盆地内8か所の浄水場に大きな被害はないが、従来から各地域とも1-2週間に1-2時間程度しか給水を受けていない。地震が原因で給水が少なくなったとは言い難い。

5) 電気

これも地震前か一日10時間程度の計画停電が続いていたため、地震の影響による停電時間増は無いようだ。

6) 幹線道路

中国国境へ向かうコダリ道路(今回の地震の周辺)は土砂崩れなどの為、現在復旧作業が行われている。

その他、物資輸入の最も重要なインドなどへ向かう幹線道路は確保され ている。

7) 空の便

カトマンズに就航している国際線30社は多少の減便はあるが、平常のスケジュールに戻った。国内線も山岳地域に向かう便を除き通常通り。

8) 秩序

非常に平穏。

9) 病院

トリブヴァン大学付属病院など大きな病院は地震による負傷者の治療も一段落したようで、平常に戻っているところが多い。

10) 学校

ネパールの学校は5月15日から再開の予定が、地域によって学校への被害が多い為5月29日からの再開となった

11 ) 救援、捜査、医療活動

作業は、各国の軍隊についてはネパール軍が調整している。世界34か国から4000名を超える軍の要員が派遣されたが、10日までに約1300名が任務を終了し帰国した。

現在活動を続けているのは、日本、アメリカ、インド、英国、シンガポール、カナダ、スペイン、スリランカ。タイ、インドネシアの軍である。

NGOなどの民間ボランテイアは内務省が調整しており、原則許可制であり医療活動は厚生省、エンジニアは公共事業省、それ以外は内務省管轄のCDO(Chief Distrct Officer )の許可が必要となる。ただボランテイアの中にはこのルールを知らない人が多く、内務省も許可を呼びかけているようであるが、これは民間からのボランテイアが事故に会わない為の措置と言われている。

4.ランタン谷の被害

ランタンは今回最も被害の集中した地域の一つ。トレッカーや登山者に人気のある地域で、現在ネパール軍が地域を閉鎖し200名を超える行方不明者の捜索に当たっている。。トリスリ、ドンチェに続くシャブルベンシから上部への道路は土砂崩れ、落石で通行できず、ギャンジュンゴンパ、ランタン村は壊滅的と言われている。

カトマンズより 大津 昭宣氏提供

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