ネパール地震-その後の状況―3(5月3日現在)

ネパール地震-その後の状況―3(5月3日現在)

1、 被害の状況等

(1) 国家による弔意休日

スシル・コイララ首相は、4月29日、30日、5月1日の3日間を死者に弔意を示す

為、休日とした。

(2) 地方からカトマンズに仕事などで来ている約40万人が、地震後4日間で転出した為長距離バス等は大混乱となる。

(3) 5月2日現在死者は7000人を超え、行方不明、死傷者も毎時間増えている為、

カウント出来ない状況。

(4)都市部については被害状況が少しずつ明らかになってきているが、山間部や地方の町については確認が遅れている。

(5) 全体の調整、指揮はCentral National Disaster Relief Committee ( 国家中央災害救援委員会 委員長 コイララ首相)が行っている。

(6)政府は、死者の出た家庭には取りあえず10万ルピーの支給と、病院などで手当てを受けている被災者は無料と発表したが、認定基準等詳細は不明。

(7)今回の地震で現在までに明らかになっている最も被害の多い地区はカトマンズ北東18kmのシンヅパルチョックで2000以上の死者と3000人以上の行方不明が確認されている。

(8)カトマンズ西方80kmの震央ゴルカ郡では、バルパックの町が90%以上壊滅状態で500人を超す死傷者が出ている。

(9)以上は多くの被災者がでている比較的大きな街であるが、全体的に見て現在までに

未確認の部分が多く、全体の被害、死傷者の状況が明らかになるにはなお数週間を要するとも言われている。

2、電気、電話等

(1) 電気

カトマンズ盆地内では旧市街、バクタプール、パタン旧市街など大きな被害があった

地域を除き、ほぼ給電が始まった。NEA( Nepal Electricity Authority 電力公社)によれば、

旧市街などはケーブル、電柱がほぼ完全に被害をうけており、早急の復旧は難しいとしている。

また電力普及作業には、インド空軍、インド電力公社の技術者が多く派遣されている。

(2) 電話

ネパールには7社の携帯電話会社があるが、カトマンズ市内は通話できる。固定電話も

同様であるが、地方の被災地への通話は難しい。国際電話によるカトマンズへの通話は、

旧市街(カトマンズ中心地)を除いてほぼ平常に戻った。

(3 ) 水道

カトマンズ盆地9か所の浄水場は殆ど被害が無く稼働している。しかし、従来から乾季には盆地全体が飲料水不足の為、原則的に2週間に1時間程度の給水という〈場所によっては1-2か月給水の無い地域もある〉異常事態がここ数年続いて おり、震災の影響は余りないようである。

3、 救援物資とカトマンズ国際空港

世界各国、国際機関、NGOからの救援物資はカトマンズ国際空港に送られる。

カトマンズ国際空港には、30社の国際線が乗り入れており通常一日250便程度

の発着があるが、震災後は連日200便以上の救援物資の大型機が発着するため、通常の国際線が発着できず、カトマンズ上空で長時間滞空したり、コルコタ、ベナレス、デリー等インドの空港に回避し、カトマンズ空港からの着陸許可を待っている場合が多い。

また、各国は輸送に大型機を使用している。アメリカ、イスラエルは747-400ジャンボ機、フランスはA-350、インドはソ連製のイリューシン11-76など、いずれも超大型の空軍輸送機である。このため滑走路が重量に耐えきれず、政府は各国に対し96トン以下の貨物重量を要請している。実際滑走路には数か所ひび割れできており、緊急の修復の必要性が指摘されている。

4、救援物資の税金

救援物資がようやく無税通関できるようになった。これは地震直後にカトマンズに贈られた物資に関税が課されたため、国連が首相に提言して実現したもの。

5、噂話は流すな!

政府は根拠のない噂を流すことを禁じているが、実際2名のネパール人が“さらに大きな地震が来る”などと吹聴した為、逮捕された。

これは外国人にも適用されるので、必要な場合には近くの警察などで確認すべきである。

6、ヒマラヤ登山隊

エベレスト

今シーズンのエベレスト登山は中止になる。地震による雪崩で登山ルートが破壊されたため、ルート工作を請け負っているSPCCが再度ルート工作を試みたが、クレバス帯が不安定の為危険と判断したもの。

観光局ではSPCCの判断に従い局長名で登山中止を登山者に伝えることになるが、すでに新たな登山隊、個人は撤退を決めて下山している。

エベレストは358名、42隊に登山許可が出されている。隣接するローチェには118名,12隊、ヌプチェには34名、4隊が同じく登山を試みていた。

4月25日の地震による雪崩は、ベースキャンプ(BC)を襲い、20名の外国人が生き埋めになるなど、多くの死傷者がでた。C1、C2に取り残された登山者はヘリコプターで救出され、怪我人はルクラ、カトマンズに移送された。

ここ3年のエベレスト・ネパール側は不運である。3年前には登山者とシェルパが大喧嘩になり、昨年は4月18日に雪崩で15名のシェルパが死亡し、登山は中止された。そして今年である。

AG(アドベンチャー・ガイズ)近藤憲司さんの率いるチームも撤退を決め、下山予定。

また、富士山1700回以上の登山記録を持つ実川さん、福島親善大使の“なすび”さんも、近日中にはカトマンズに帰ってくるようだ。

一方チベット側は、中国政府が登山中止を決めた為、竹内 洋岳隊はカトマンズに帰らず、ラサから北京経由で5月2日東京に帰った。

なお、近藤さんと“なすび”さんは カトマンズで救援活動支援を行うそうである。

他の山域については事故もなく殆どのチームが登山中止となっている。

エベレスト環境汚染規制委員会SPCC (Sagarmatha Pollution Control Committee)がエベレスト登山のルート工作を一手に担っており、通常登山隊はこれに従って登山している。

大津 昭宣提供

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