カトマンドゥ便り

カトマンドゥ便り 12月

 新憲法発布の期限である1月22日が迫っている。マオイストのバブラム・バッタライが委員長を務める制憲議会のConstitutional Political Dialogue and Consensus Committee(対話委員会)は、新憲法のなかの連邦制、ガバナンス形式、選挙制度、司法制度の主な4つの未解決問題について合意を成立させることができず、バッタライ委員長は12月10日、制憲議会の本会議で未解決問題に関するレポートを提出した。主要3政党は合意のための話し合いの期間として5日間を要求したが、16日現在、合意に達していない。15日から制憲議会で対話委員会のレポートに関する議論が始まったが、議論の中心は未解決問題の内容よりも、今後のプロセスに集中しており、結論が出る形で進んでいない。
 さまざまなメディア報道によると、主要3党は主な未解決問題について合意の近くまでいっている。連邦制については、与党のネパール会議派とUMLは7つの州を、マオイストは10の州を主張しているが、交渉の席でマオイストは州の数を8つまで減らすことに合意している。州名については州議会に決定権を与えることですでに合意が成立したと伝えられている。問題は州境についてだが、UMLのオリ議長らは専門家からなる委員会を設置して、詳細案を作成することを提案している。ガバナンス形式については、連邦制について合意が成れば、マオイストは与党の提案である“改善した議会制度”を受け入れる可能性がある。
 主要3党間でなかなか合意に達しないのは、未解決問題よりも、新憲法を発布した後のパワーシェアリングについて調整ができないでいるからだ。ネパール会議派とマオイスト、UMLとマオイストの2党間の話し合いの場で、ネパール会議派とUMLは憲法発布後の政権交代で、それぞれ自党が首相ポストを得た場合、大統領のポストをマオイストのダハル議長に与えることを提案している。ネパール会議派は14日に開かれた中央委員会議で、1月22日の期限内に何としても新憲法を発布すること、そのために可能なかぎり柔軟になって、未解決問題とパワーシェアリングについて包括的な合意を成立させる方針を決めている。しかし、15日と16日に開かれた制憲議会の本会議におけるネパール会議派の議員の発言を聞くと、“柔軟さ”は見られない。同党のラム・チャンドラ・パウデル副党首などは、マオイストは与党が打ち出した共通提案を受け入れるべきと高飛車な発言をした。
 現在進行中の制憲議会の本会議では、今後、連邦制などの未解決問題をどう扱うかについて、与野党間で意見が対立している。与党のネパール会議派とUMLは、対話委員会は未解決問題について合意を成立させることに失敗したとして、制憲議会の本会議で票決を行うべきと主張している。しかし、マオイストとマデシ政党は未解決問題を再び対話委員会に戻して合意を試みるべきと主張している。与党は票決を主張しているが、合意に基づいて憲法を制定すべきという意見は与党内からも出ており、票決が行われる可能性は見えていない。
 1月22日の期限に新憲法を発布することがかなり困難である現実をわきまえて、期限内に最初の憲法案だけ完成させればよいとする意見や、期限を延期すべきという意見も出てきた。そろそろ現実的な議論が始まってよい時期だと思うのだが、与党2党はまだ「1月22日」にこだわっているようだ。 (小倉清子)

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